色々語る

雑食雑多に色々と書いていきたい。

【漫画】少女ファイト 17巻

日本橋ヨヲコ氏の少女ファイト17巻が7月22日刊行された。

実は昨年出た16巻を読んでおらず、凡そ2年ぶりに読む運びになった。

 

いやー、面白い。相変わらずの面白さ。

16巻は春高準々決勝、朱雀高校との試合が丸々一巻使われている。

春高開催直前の「寺沼さんがいない朱雀なら楽勝」発言から繰り広げられてきた因縁?は6巻目にして幕を閉じた。

スポーツマンらしい爽やかな結末!

 

…そのかわり、鎌倉先輩と三國のおばあちゃんとの間に因縁が生まれた。

いや、こんなややこい人間関係ある?と思うが、まぁなんとかついていく。

僕は話の途中からでも話を理解するのにそう苦労しないタイプだが、少女ファイトに関しては多分厳しいと思う。

登場人物の多さと関係性とが情報過多でこんがらがる。

ご興味ある方は是非、1巻から読んでください。

スポ根バレー漫画です。

 

閑話休題

 

17巻では、準決勝の相手であり、長らく悪役として存在する、雨宮摩耶率いる青磁高校にフォーカスを当てつつ、試合が始まる。まだまだ試合は続いているが、まぁ勝つんでしょうね。

この作品の読者は勝ち負けのハラハラ感など求めていないのでしょう。ただ試合の中にどういう感情があるか、感情によって生み出される行動があるか、それがこの作品の価値だ。

 

あまりにも拗れた人間関係には時々、こんなことある?とか、なんやこれ?と思わされるが、時折誰かが"今に集中しろ!"とか"できることをやろう!"的なことを言い、結局、バレーボールに集中し出すのが味である。

これってつまり、惑星のさみだれでいうところの"早く来い8体目 悩んでるヒマなんか欲しくない"と同じだ。

人間関係の湿っぽい悩み憂鬱から解放されるためには、他のことに集中するしかない。一方で、それは逃避に繋がる可能性も孕んでいる。

考えるべきこと/考えるべきでないこと

受け入れるべきこと/無視しても良いもの

この辺りを考えさせてくれるのは、少女ファイトならではのところか。

 

しかし、15巻の引きがあまりにも良すぎたためか、2年前の読書体験に比べるとインパクトが小さかった。

(何度かネカフェで読んでて、ついに2年前最新刊まで買った。)

寺沼さん、マジでかっこいいし、可愛いし好きだ…。

年1ペースの刊行のため、まだまだ先は長いが追い続けていきたい作品である。

【小説】日本SFの臨界点 恋愛編

今日は『日本SFの臨界点 [恋愛編]』を読みました。

早川文庫から刊行された本書は、伴名練氏があり得たかもしれない日本SFの姿を描き出す、という壮大なテーマの元に選んだいくつかの短編によって構成されている。

大袈裟な売り込みだが要するに、文庫等未収録の作品群を再発見しようという試みだ。

 

まず、前もって述べておきたいのは、伴名練さんのその熱量である。

前書きにおける、メッセージ。"(早く短編集を出して欲しいという)各社編集者へのメッセージかつプレッシャーである。"

下記、URLにあるようなやりとり。

https://twitter.com/shiozaway/status/1284849888660869120?s=21

その全てが熱を感じさせてくれる。

そもそも僕は、SFはじめ色々と小説を読むが、積極的に人と関わりながら読むタイプではなかったので、こうした裏話的な要素が入ってくると少なからずワクワクしてしまう。

もちろん、ビジネス的にも盛り上がるだろうと思う。盛り上がっていこう。

 

目録は下記の通り。

1. 死んだ恋人からの手紙 中井紀夫

2. 奇跡の石 藤田雅矢

3. 生まれ来る者、死にゆく者 和田毅

4. 劇画・セカイ系 大樹連司

5. G線上のアリア 高野史緒

6. アトラクタの奏でる音楽 扇智史

7. 人生、信号待ち 小田雅久仁

8. ムーンシャイン 円城塔

9. 月を買った御婦人 新城カズマ

 

以上、9作。

 

個人的に好きなのは『生まれ来る者、死にゆく者』『劇画・セカイ系』『人生、信号待ち』の3作。次点で『奇跡の石』。

結局、読みやすい/分かりやすい話が好きだったりする。

 

下記、ネタバレで紹介してみる。

 

人の命が確率的に存在する世界を描いた『生まれ来る者、死にゆく者』は、生まれて来る孫を死んでいく祖父に一目でも会わせようとする家族のお話。彼らの微笑ましい姿が目に浮かぶようだった。

著書の和田毅さんは、草上仁さんの変名ということで、『5分間SF』の作者でもあった。正直、"5分間〜"(泣けるだのわらえるだの)というものは9割方つまらないという先入観もあり忌避していたので反省。そのうち手を出してみようと思う。

 

『劇画・セカイ系』では、ヒロインがセカイ系の王道の通り、世界を守るため主人公を残して消えたその後の世界を描く。僕のようなセカイ系大好きっ子にとっては、悶えるような作品に仕上がっている。

エヴァの二次創作オタクだった自分にとっては間違いなく刺さる作品であり、自作のゴミ小説、屋上で幽霊に会う話を思い出して軽く呻いてしまった。

 

最後に『人生、信号待ち』を紹介する。

人生の中で信号待ちに費やす時間はいかほどだろうか?という問いに始まり、信号待ちに囚われた主人公とヒロインの人生が流れ出す。

人生なんて信号待ちみたいなものだという、"何事も突き詰めれば等しくなる"みたいなしょーもない発想をこうやって綺麗にまとめられるのはSFならではだと思う。

 

本書通して振り返った時に、講談社の戦後短篇小説再発見を思い出した。

あれは有名作家ばかりだからニュアンスは異なるが、こうした小説の中に、繋がりや可能性や色々なことを感じとったあの頃の自分を…。

なんていうと大袈裟だが、普段何気なく読んでいる小説群の中に、歴史や文化を感じた。

同人文化やSF大会など、僕の知らないところで作品が生まれ、語られているのだろうな、と思う。

なかなか、鹿児島から文化にコミットするのは難しいが、こうして記事にしてみる。

【小説】黄色い夜

本日は宮内悠介の『黄色い夜』の感想を書きます。

まず、断っておくと、結構適当に読みました。

宮内さんの文章は読みやすいので、それに甘えてサラッと読み飛ばしてしまいました。

 

面白かったのですが、主人公の目的とその理由。ここがあまり理解出来なかった。

理解することを放棄して先に進んでしまったので。

 

宮内先生の文章は相変わらずいいですね。

どことなく、含蓄があり、読んでいてニコニコしちゃいます。

 

内容はあっさりライトな賭博エンタメ小説です。とはいえ、随所に宮内悠介らしさがあり、最後まで読めばきっと満足できると思います。

 

うー。次読む本はちゃんと読もう。

【音楽】dodoくんのセカンドアルバム

dodoくんマジで売れてるなぁ…。

 

徳利さんのレボリューションの記事でも触れた通り、代官山SALOONのジ・エンドを見てからのファンだから、僕はだいぶ古参だぜ。新参は俺を舐めるなよ。

サ上とのビーフのさ中、渋谷OTOでサ上死ねを熱唱したんだぜ。mango sundaeもっと行けばよかったな…。

粗悪ビーツさんと組んでFAKEリリースした時は衝撃だった。あのとき、dodoくんが売れることを確信した。kill more itで最強になっちゃった。しばらく時間はかかったけど、どんどん売れて、dodoくんでTwitterサーチしたら大量に感想が出てきてビビるよ。

 

セカンドアルバム"normal"が7月17日にリリースされた。

先行配信の"FO"含め8曲。YouTubeで公開されていた"friends"もこのアルバムに入っていた。そういえば、配信されていなかった。

 

1. kill late it
2. era it
3. Fo
4. nambu
5. delay
6. number
7. friends
8. story

 

dodo自身でも言うように"需要のある曲"を書いたのであろう、だいぶ聴きやすい。

自身でセルアウトと言っていたのを聞いて、恐々としていたが、確かにそう言う部分もあるかもね〜って程度。

 

やっぱり4.nambuがベストだ。

青春旅立ちsongだ。いいな。旅立ちてぇな。

 

"ここにあった青春 ここでやったゲッツ

思い出を全部 置いて俺は撤収

歩くあの日の道を ここにあった日常

歩き振り返るあの日々の意味を"

 

"ここで笑い泣いた 夢見ていた毎晩

いいことも悪いことも起こりすぎたよ退散

俺はもう 飽きたこの景色に涙

が染み付いてるから散々なんだよこの街は

けどここでもらった自分らしさ

これをベースに続ける足し算 ここが俺の故郷

けどもうない度胸 離れたいんだ東京 

この国の本当 それがあるのはどこ?"

 

ありがてえや。

ついでに次の曲も好き

5.delay

歌詞起こすのだるいからみんな聞いてくれよ。

"焦るけど待つのも才能"

きっとお前らもいつか聞いてくれるよな。

 

正直最近の曲ならnenshiやrenqの方が好きだし、売れる曲という意味でもimがイケてる。

まぁでも人間変わっていくものだし、そういうの込みで今までたくさん曲聞かせてもらって楽しんできたので、しばらくは聞き込もうと思っている。

 

インスタライブより、ラジオーストラリアしてくれ。

 

【音楽】リターン・オブ・ザ・怨念

onnenの新曲"Atsumori"が7月17日公開された。

prodは粗悪ビーツ、間違いないコンビ。

おそらく粗悪ビーツの2ndアルバム''Crude''以来だろう。

 

新曲のテーマはタイトルの通り『あつまれ!どうぶつの森』だ。

 

lyrics

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hook

どうぶつの森移住しました

どうぶつの森移住しました

どうぶつの森移住しました

どうぶつの森移住しました

どうせ無理どうせ無理どうせ無理あー…

どうせ無理どうせ無理どうせ無理あー…

どうせ無理どうせ無理どうせ無理あー…

どうせ無理どうせ無理どうせ無理あー…

 

脳味噌つけるトレイの中

ごむいしごと?未来の姿

理想は与沢*1鎌田前澤*2

現実は全てが中途半端

 

友達は万引き好きなバーバン

睨む浮かれたバカハッピーアワー

真実は全て話すから

検索してくれよデンジャー松永*3

 

秒で億稼ぐ方法

知らないとかマジで損損

おっせえ…ユアマイソウソウ*4

巻き起こすのは嵐じゃないレボリューション*5

 

金持ちあるある早く言いたい

金持ちあるある早く言いたい

金持ちあるある

魂の救済*6 興味持ちすぎ笑

 

hook

 

みんな好きどうぶつの森なう

ここでもピーポーコールミーカス

ほんと好きだね村八分

首でも吊っときゃすぐ飽きる?

 

そこら中干からびたゴキブリ

一匹いたら最低100匹

ゴッサムより無法シティ

隣の新築火つけて焚き火

 

iPhoneぶん投げフィッシング

孤独は娯楽リアルビッチリッチ

この森にまつわるエトセトラ

出る反吐がペリオ*7にヘッドバング

 

ここにも居場所ない

鏡に向かいフーアーユー

2020調子チャーシュー皆の衆*8

森の中でも躁鬱エイプリルメイジューン

 

hook

 

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2番目の歌詞マジ好き〜

"どうぶつの森なう"と"people call me カス"はよく踏めてるなー。

 

"首でも吊っときゃすぐ飽きる?"

"隣の新築火つけて焚き火🔥"

この辺りはフローがいいなー。

 

"調子チャーシュー皆の衆"はマジで天才すぎるっ!

と思ったけどよく聞いたら普通に長州チャーシューでした。

サウンドクレジットは徳利さんぽい?

 

僕は毎月この時期にクレジットカードを止められてしまうので、ギリギリセーフで買うことができた。

最近マジで下らないことばかりだから、あっつい夜にこの曲聴いてコンビニ行きたいんだ。

 

 

一度下記のブログで記事を書いたことがあるのでこちらもご一読ください。

https://nikkinniki.hatenadiary.com/entry/2020/01/13/040438

【漫画】ゆりでなる えすぽわーる

こんばんは。

今回は漫画の紹介をしたいと思います。

タイトルは『ゆりでなる えすぽわーる』です。

 

タイトルから、大体の内容はお分かりですね。

百合です。

百合について、大して興味のないと公言している僕ですが、どうしても最近触れる作品は百合が多い。マジで自ら進んで読んでいるわけではないと思うんだけど…。

 

これ何度言っても情けないんですけど、僕は自分の人生を生きてる気がしてないんですよね…。俺がカスだから、成り行きで現状があるだけで、俺で何か選んだことって本当にあるのかな、って思ってるんですけど…。

この主人公には悔いの残らないよう、生きて欲しいという、僕の情けない願望です。

【小説】三体II 暗黒森林

皆さま、三体読んでおられますか?

僕は三体が大好きだ。

 

僕がフリーターしていた頃、同僚の中国人留学生と、三体や流浪の地球の話をして盛り上がった。よく行ってたバーでも三体をはじめ、中華SFの話をよく聞いていた。

 

しかし、いまの中華SFの盛り上がりはすごい。ケンリュウ氏から始まり、三体を機に爆発的に日本語訳が増えている。ま、全然読んでないけどね。

 

『三体II 暗黒森林』は前作『三体』の面白いパートがずっと続くイメージだ。

『三体』では、後半の展開が非常に面白かったが、前半の文革〜現在への下りは正直退屈だった。もちろん一定の役割は認めるところではあるが…。

 

以下、ネタバレだが最高に面白いストーリーのあらすじを紹介する。

前作で地球に送り込まれた智子(ソフォン)により、地球上の科学発展は大きく制限されることになった。また、智子による監視により、三体文明に大してその内情を曝け出すことになった地球では、打開策として面壁計画を発動する。

その内容は、防衛計画を個人の脳内で完結させるというもの。そのために選ばれた四人の面壁者(ウォールフェイサー)の計画とは?

一方で、ETO(地球三体協会:地球を三体文明に明け渡そうとしている)は、面壁者の計画を明らかにするため、破壁人(ウォールブレイカー)を用意する…。

 

スケールのデカさ、SFネタの数々、こんなにシンプルに面白い話はそうないです。

ただただ、シンプルに、面白い。

オススメです。