【小説】ゴッド・ガン
バリントン・J・ベイリーの著作を初めて読んだ。
表題作の『ゴッド・ガン』が面白かったので、下記少し抜粋してご紹介。
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この世界は 、ミッキ ー ・マウスの腕時計みたいに組み立てられている !
安っぽい 、いいかげんなやっつけ仕事だ !
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短編の中でも、だいぶ短いものだろう。
しかし、その中にとんでもなく展開が詰め込まれている。
大まかなストーリーは、性格に難あり(…というか破綻している)発明家ロドリックが神を殺そうとするという、なんとも突飛な話。
彼は、聖書の『神 、光あれと言たまひければ光ありき 』という一節から光こそが神を殺せる物質だと思いついたのだが、だいぶ強引でめちゃくちゃだ。
友人に、なんでそんな訳の分からないことをするのか、と問われた彼は上記引用の通り、神への怒りをぶちまける。
センスの溢れる啖呵である。
というように、ロドリックというキャラクターが生き生きとしていて、とても面白い作品だ。
カトリック的な神の存在について言及されるSFは多くある一方で、その辺の解釈の仕方というか、楽しみ方が今ひとつピンときた試しがない。
この結末どういう意味なん?
科学技術が神や美を、そして生きる意味失わせる…みたいな安易な発想しか出てこなくて、そういう意味ならうーんと言ったところでもある。
でも面白い。勢いあるね。