【漫画】アクタージュ 10
『アクタージュ』がバトル漫画と化した。
『アクタージュ』は主人公夜凪景が俳優になる話である。
デビューから出演したいくつかの作品を通して、夜凪は技術的にも精神的にも成長していく。
そんな中でこの10巻では西遊記の羅刹女を基にしたオリジナル脚本の舞台に臨む…。
夜凪は、羅刹女の役に、より激しい怒りの感情をもたらす為、自らの昏い過去と向き直った訳だが、この10巻では、演出家の山野上の落とした爆弾によって、その感情が激しく燃え上がる。
舞台の幕が上がってからは、もうバトル漫画である。
台詞のひとつひとつ、殺陣の立ち回り、どれを見てもバトル漫画と遜色ないどころか、これほど張り詰めている作品はそうはない。
「演じることでなんにでもなれる」俳優を描く作品であればこそ、この作品自体が何にでもなることができることを感じさせられる。
また、他方存在している「飽きられることへの恐怖」というテーマの通り、この作品自体が飽きに対する挑戦でもある。
俳優・演技という普通考えると、そう続きそうもないと、「銀河鉄道の夜編」がピークになるのでは、と想像していたのだが、まだまだ面白い。
今後どう話が展開していくのか、大いに期待しているところである。