【映画】Last Letter
岩井俊二監督の映画を初めて劇場で見た。
岩井俊二らしい透明感のある絵を大画面で見るのは非常に良い経験だった。
しかし、別に僕は綺麗な絵を観に行っているわけではない。
そこから何かしらの感情の動きを得ることを自らに期待しているのだが、思いの外、微々たるものに終わった。
話が、ずっと、よく分からないままだった。
初恋を引き摺る男、乙坂(福山雅治)が前を向くまで、という話ではある。
彼の書き連ねたラブレターが鮎美(広瀬すず)と颯香(森七菜)に勇気を与える話ではある。
しかし、それだけにしてはあまりに迂遠な話の展開に、それだけではないようなモヤモヤした気持ちが残っている。
それだけなんて言っちゃあいけませんけどね。
僕はそれだけ?って思ってしまったんだよ。
個人的に一番しんどかったのは、鮎美の叔母で颯香の母である裕里(松たか子)が気持ち悪かったことだ。
死んだ姉を騙って乙坂に手紙を送る行為、お義母さんをつける出歯亀っぷり。
はっきり言って不愉快な奴だ。
乙坂は見るからに拗らせてるから許せる。
兎にも角にもストーリーはイマイチだった。
それでも、神木隆之介や福山雅治の演技は流石だったし、何より広瀬すず、森七菜は素晴らしい。
(あんまりテレビ映画見ないので)この作品で初めて認識した。
いつかまた見る機会があれば、そのときは違うように感じられるかもしれない。
その時を待ちたいと思う。