【小説】森博嗣先生
僕が今までで一番読んだ冊数が多い小説家は、森博嗣先生であることはおおよそ間違いがない。他の小説家に比べて圧倒的に多く読んでいる。
デビュー作の『すべてがFになる』をはじめとした一連の作品、S&Mシリーズ10作、Vシリーズ10作、四季4作、Gシリーズ(未完)11作、Xシリーズ6作、百年シリーズ3作、Wシリーズ10作、WWシリーズ4作、これだけですでに、50冊をゆうに超えている。いくつかの短編集もあるので、本当に楽しませて頂き、ありがとうございます、という感謝の念に絶えない。
そして、紹介してくれた友人にも。有名な作家で、いつかどうせ出会っていたという説もあるが、こういうものは基本的に一期一会であり、当時、ミステリなんて毛ほども興味のなかった僕にとってはだいぶ貴重な読書体験だった。
森博嗣先生のデビュー作『すべてがFになる』は理系ミステリとして評価され、創設当初のメフィスト賞を受賞した。理系ミステリなんてものは今日日ありふれているのだが、そんな中でも変わらない魅力があるのは、やはり文章力だろう。森先生の小説の中のキャラクターはとても可愛らしい。これに尽きる。
小説においてキャラクターの魅力とは会話か行動しかない。個人的な意見。見た目などわからない。
たとえば、"壁をグーで殴りつけた"は事実として頭に浮かぶけれど、"目鼻立ちのすっきりとした顔"とかだと、綺麗な感じ…?としか思い浮かばない。全く持って具体性がない。僕だけだろうか?
それはどうでもいいが、森先生の魅力はキャラ間の会話・台詞のユーモアということで間違いない。一度読んでみれば、分かってもらえると思う。厚さのわりに案外読みやすいので、『有限と微小のパン』まで是非読んでくださいね。
6月19日に刊行された『幽霊を創出したのは誰か?』でも、グアトとロジの掛け合いにはとても愛嬌があった。しかし、今年の刊行予定はもうなさそうなので悲しい。いつになったらωの悲劇が読めるのでしょうか…。犀川先生はどうなってしまったのか…。分かる時が来るのだろうか。
著作として有名なのは、他にも、スカイクロラやヴォイドシェイパなどあるが、僕は読んだことがない…。