【小説】獣たちの海 上田早夕里
気づいたら、オーシャンクロニクルシリーズの最新作が出ていた。
つい数日前が発売日だったようで機を逃すことなく、ほっとしている…急いで読む必要もないのだが。
明日ゆっくり読もうと思ったが、やっぱり読みたくなったのですぐに読み終わってしまった。
上田早夕里先生の作品の良さについては何度も書いているので、割愛して、ただまだまだこの世界の広がりを見ていたいと願うばかり。
追記 雑感 2022/03/01
【迷舟】
色々なものを手に入れては失うのが人生とはいうが、
手に入れたと確信できるものもなかなか見つからない。
ただまぁなんとなく、これからも生きていけるような気がするのは
それなりに得てきたものがあったんだろう。
後ろ振り返る。また前を向く。その繰り返しである。
【獣たちの海】
表題作。ネイチャードキュメンタリー。
魚舟・獣舟に徹底的に寄り添う描写。
人間の主観は排除されているが、
ただ、最後に一言。
>生きるための権利が、おまえにも間違いなくある。
【老人と人魚】
前2作と比べるとあまりすきではないのだが、
ルーシィが出てきたのは嬉しかった。
また、シリーズを読み返すのもいいかもしれない。
【カレイドスコープ・キッス】
素晴らしいタイトルだと思う。
登場人物を万華鏡の具に擬えるなら
私たち読者はそれを覗くことが出来ているのだろうか?
どちらかというと、間を引っ張られながら
それらがぶつかり転げていく様と鏡に映る模様をながめているようだ。
まぁ万華鏡を覗き込む機会があれば覗き込んでみたいが…
ただただこの世界の広がりを見続けていたい。
そして現実に振り返り、言葉は自分の身に振り返ってくる。